只今準備中です。
しばらくお待ちください。
児童発達支援事業所そえだ(キッズケアひこほたる)
全校集会のときに、1年生が前へ出て自己紹介をする場面で、自己紹介ができずに黙ってしまいました。その時は6年生が助けてくれましたが、終わってもその場から動かず、「石のように固まり」声かけにも反応しなくなりました。引っ張ってやっと、1年生の列に戻りましたが、着席しようとせず立ったままでした。そういう時はどのように対応したらよいでしょうか?
予期しない出来事に対する不安が強いため、全校集会で何をするのか説明したり予め紙にわかりやすいように書きだしたり(視覚化)することで安心感をもつことができます。また、想像することや応用することが苦手なため、経験したことないことは予測することができません。可能であるならば、自己紹介の練習を事前にしておくことも安心につながるかもしれません。また、経験の積み重ねが大切であり、全校集会も何度も経験することでスムーズに参加できるようになります。実際に、強い不安や葛藤、混乱の結果、「石のように固まる」ことが起きているときには、たくさんのことばかけをすることが逆効果になる場合もあります。自分の気持ちを上手に表現することができなかったり、周囲の大人へどのような助けを求めていいのかわからなかったりします。そのため、自分の不安や葛藤、混乱を和らげることができずがまんを重ねた結果「石のように固まる」現象がおきています。いわゆる『パニック』の状態でありクールダウンする必要があります。できれば、落ち着ける場所や教室、保健室などに移動し会話ができるまで見守ることが大事です。みんなの前で、「石のように固まる」現象になってしまったことは本人も自信を失います。上記のような状況にならないような配慮を行いながら経験を積み重ねることが大切です。
訪問し観察した時間は、音楽の時間で鍵盤ハーモニカの練習でした。開始前に先生と「吹いてくださいというまでホースは咥えません」と約束をし、授業が始まりました。教科書には、音符のみでしたが、黒板にドレミの音階と指番号を書いていました。ドレミファソ(1.2.3.4.5)までは、ぎこちなさもありましたが何とか動かしていました。ただ、顔をあげて黒板を見て、下を向いて鍵盤ハーモニカを見てと何度も頭を動かし大変そうで、だんだん飽きてきている様子がありました。そのため、黒板ではなく教科書に指番号を書くことで頭を動かす範囲が減り視線の往復運動が少なくなり、本人が集中しやすくなることをお話しました。また、見た物を覚えておく範囲も少ないことが予想され、何度も頭を上げなくてはいけないため疲れることで飽きていることも考えられるとお話ししました。20分が経過したところで、鍵盤ハーモニカの練習は、さらに複雑になってきました。指番号の変換です。今まで4番だったファを2番で弾く練習です。しかし、さらに集中力が途切れ先生の説明中に音を出したり、みんなと合わせて弾くときに指を適当に動かしたりするようになりました。注意力が弱く、一定時間何かに集中し続けることが苦手なためです。集中力は本人の努力でどうにかなるものではありません。本人も、「なんでみんなと同じようにできないんだろう」と感じているかもしれません。「がんばって、集中しようね」の声かけはあまり意味をもちません。まずは、本人がどのくらいの時間なら集中することができるのかを把握しなければいけません。そして、決められた時間、集中できたらたくさん褒められ認められることが大切だとお話ししました。また、指の動きも複雑になり、出来ないから面白くないとなったのかも知れません。事前に、行うことのわかっている内容に関しては、先取りで練習しておくという支援も一つの手段であることをお話ししました。